7馬身の差をつけて、東京の長い直線に差し掛かるボーラー。お前はとりあえずいいとして、相手が…と落胆していたら、直線の内からシーキングザダイヤと並んでヒシアトラスが上がってきた。脚色は、シーキングよりアトラスのほうがよさそうだ。まさに、僕にとっての最後の希望!小学校時代に、「キン肉マン」で悪魔超人と戦っていた最後の正義超人・テリーマンを応援していたときのような気持ちで、「頑張れ、アトラス、差せ、差せ、差せ、いけ!」と大応援。しかし、「………バカ、なんでだよ、蛯名!やる気あるのか!真面目に追えよ……」
東京の直線は僕が思ったよりも短く、シーキングザダイヤやしぶとくて、ぺリエは上手かった。そして、ヒシアトラスは最後の最後まで、シーキングをとらえることはできなかった。長く、そして虚しい叩き合い。
今年も、あまりいい年になりそうな気配もないな。
だいたい、地方のダート重賞を荒らして賞金を稼いでばかりの森厩舎の偽ダート馬で、実力はノボトゥルーと同レベルだと思っていたのになあ、シーキングなんて。しかし、考えてみれば、こういう軽いダートでスピードが必要、先行有利、他の馬は決め手が発揮しづらい、ということであれば、後付けでは、今日シーキングを買わないで、いつ買うんだ?という状況ではあったのだ。芝の東京マイルでは決め手不足で、ダートの良馬場ではパワー不足のこの馬が買えるとしたら、今日しかなかった。1000円あまりの馬連の配当に、みんな競馬が上手だなあ、と大きく溜息。それにしてもヒシアトラス、なんとかならなかったのか……
まあ、逆噴射をかましてくれたドンやユートピアよりマシではあったのだけど、見所があっただけにかえって恨めしい。相変わらず、1着3着、しかもクビ、ハナ差、という状況が続いている。馬券が外れると、買っていたボーラーの勝利騎手インタビューまでもが恨めしい。
それにしてもドン、あれで5着なら、普通に走ればまず連は外さなかっただろうに。これでダートは最後だと言っていたから、結果はどうあれ、ボーラーと決着をつけてもらいたかったなあ。
それからは、少し論文の手直しをしたりしつつ、終日鬱々として過ごし、24時に就寝。来週でもう、2月も最後。
寝る前に、そういえば2月は「逃げる」って言ったよな、とボーラーのことをもう一度だけ思い出して、2着の馬のことは忘れることにした。